
【イロイロ絵付けのうつわ展】
参加作家:石井桃子[陶芸]/石川理恵[陶芸]/大井萌子[陶芸]/川西知沙[陶芸]/鈴木美佳子[陶芸]/
友田多紀[陶芸]/福田栄一[陶芸]/motif.[陶芸]/TATA pottery studio[陶芸]
会期:2025/8/23(土)~8/31(日)
こんにちは。“ころは”の店主です。
8月23日(土)から開催する展示会のご紹介です。
カラフルだったり、ちょっととぼけていたり。
思わず笑みがこぼれるような絵付けのうつわたちが、「ころは」に集まります。
染付や上絵など、9組の陶芸家による表情豊かな作品たちは、どれも一点もの。
作家のまなざしと手しごとが重なって、日々の暮らしをそっと明るく照らしてくれます。
見て楽しく、使って心がゆるむ、そんなうつわとの出会いをお楽しみください。
石井桃子さんの作品

石井桃子さんは、丹波篠山の静かな里山で作陶をされています。
手に取ると、どこか懐かしくて、でも新しい――そんな不思議な魅力を感じさせるうつわです。
染付と呼ばれる青の顔料で描かれる絵付けは、繊細でやわらか。
少し黄みを帯びた素地に深い青のラインが浮かび上がり、凛とした美しさの中に、あたたかさを秘めています。
透明釉の下にのぞく貫入もまた味わい深く、日々の食卓で少しずつ表情を変えていく姿に、暮らしの時間の流れが重なります。
お料理をそっと引き立ててくれるような、包み込むやさしさのあるうつわです。
石井さんの作品は、ひと目でそれと分かる存在感がありながら、日常にすっと溶け込む静けさも持ち合わせています。
使うたび、ふっと心が和らぐような、そんな一枚との出会いを、どうぞお楽しみください。



石川理恵さんの作品

石川理恵さんは、磁器土を使い、染付のうつわを丁寧に制作されています。
透き通るような白い素地に、鮮やかなコバルトブルーの線がくっきりと映える――その美しさにまず目を奪われます。
モチーフには古典的な文様が用いられながらも、どこかにくすっと笑みがこぼれるような、愛らしい動物たちがそっと描かれているのが、石川さんの作品の魅力。
とぼけた表情や、ちょっと不思議なポーズ、ひとつひとつがどこかあたたかく、見る人の心をやさしくほぐしてくれます。
染付というと、きりっとした印象を持たれるかもしれませんが、石川さんのうつわには、遊び心とぬくもりがふんわりと宿っています。
食卓の上で動物たちと目が合うたび、きっと少し元気をもらえるはず。
日々の暮らしにそっと寄り添ってくれる、そんな優しい存在のうつわたち。
ぜひ、あなただけのお気に入りを見つけてください。



大井萌子さんの作品

大井萌子さんは、磁器土を使い、上絵付や染付のうつわを手がけていらっしゃいます。
その素地は、陶芸家でもあるご主人が成形されていて、ご夫婦の手仕事が重なり合ってひとつの作品が生まれています。
長年、京都の工房で絵付け職人として腕を磨かれてきた大井さん。
その確かな技術と、積み重ねてきた経験が、うつわの隅々にまで息づいています。
絵付けの線や色には、どこか古いものを思わせるような、懐かしさと風格が漂います。
骨董のような佇まいをもちながら、今の暮らしにもすっとなじむやわらかさがあるのが、大井さんの作品の魅力。
じっと見つめていたくなるような静かな存在感があり、使うたびにその味わいが深まっていくようです。
丁寧に描かれた絵柄のひとつひとつが、日々の食卓をそっと彩り、心を和ませてくれる――
そんな、大切に使い続けたくなるうつわたちです。



川西知沙さんの作品

川西知沙さんは、富山県氷見市を拠点に活動されている陶芸作家さん。
暮らしにそっと寄り添う、磁器の生活道具を中心に制作されています。
代表作である「kaleidoシリーズ」は、象嵌の技法を転用し、彫り込んだ模様の中に色絵の具を丁寧に埋め込んだ、まるで万華鏡のような繊細な世界。
磁器という硬質な素材に、どこか儚げでやさしい表情を与えることで、川西さんの作品は、ふわっと心にやわらかく触れてきます。
凛としていながらも、触れた手のひらにやさしく馴染む、そんなうつわたち。
手に取るたびに、日々の暮らしが少しあたたかくなるような。
そんな存在であれたら…という想いを込めて、ひとつひとつ丁寧に作られています。



鈴木美佳子さんの作品

福島県で作陶されている鈴木美佳子さん。
日々の暮らしの中で自然と手に取ってもらえるような、そんな「毎日使うこと」を大切にしたうつわづくりをされています。
半磁器と陶器の両方を手がけられていますが、今回は石ものと呼ばれる半磁器の作品を届けてくださいました。
ひときわ目を惹くのは、藍色の線画。
彫った線に呉須という顔料をすり込んで表現された模様は、手間を惜しまぬ仕事の積み重ねから生まれたもの。
さらに、施されたマンガン釉が、少しだけアンティークな雰囲気を漂わせ、どこか懐かしくて、やさしい味わいを感じさせてくれます。
一見シンプルなデザインの中にも、静かな存在感があり、どんなお料理にも自然と馴染んで、そっと彩りを添えてくれる。
そんな懐の深さが魅力のうつわです。
日々のごはんの時間が、ほんの少し特別になる。
そんなうつわと出会えることは、暮らしの中での小さなよろこびですね。




友田多紀さんの作品

友田多紀さんは、京都の伝統を感じさせる京焼のうつわを、下絵付と上絵付を重ねて丁寧に仕上げていらっしゃいます。
やわらかな陶器の素地に描かれる幾何学模様は、どこかモダンで、どこか可愛らしくて。
手に取った瞬間、まるでアートピースのように飾りたくなってしまう魅力があります。
そして、時折そっと添えられた金彩のあしらいが、うつわに凛とした空気をまとわせ、特別な時間を演出してくれます。
お茶菓子をのせて、おもてなしのうつわとしてもぴったり。
日常の中に、ちいさな“ハレ”の瞬間をつくってくれる存在です。
伝統と遊び心、華やかさと落ち着き、そのどれもが調和したような友田さんの作品。
そっと暮らしに寄り添いながら、見るたびに心がふっと和らぐ、そんなうつわです。



福田栄一さんの作品

福田栄一さんは、やわらかな風合いと静けさをたたえた「安南手(あんなんで)」のうつわを制作されています。
化粧土をまとったやさしい素地に、まるで薄墨のようにふんわりとにじむ呉須の絵付け。
その線は繊細でいて、どこかのびやか。見ているだけで心がほどけていくような印象です。
表面には釉薬の貫入が入り、時間とともに少しずつ変化していく様子もまた楽しみのひとつ。
使い込むごとに味わいが深まり、自分だけの景色を描いてくれる…そんな余白のあるうつわです。
華美ではないけれど、じっと見つめていたくなる存在感。
毎日の食卓にすっと馴染みながらも、ふとした瞬間に心をとらえるような不思議な魅力を持っています。
福田さんのうつわには、静かなやさしさと、時の流れを受けとめるおおらかさが、そっと宿っています。


motif.さんの作品

motif.さんのうつわは、磁器土に描かれたユニークな染付が印象的。
ちょんまげ頭の人、プロレスに興じる人、そして鹿や鳥、唐草や花など…。
まるで夢と現実が入り混じったような、どこか混沌とした不思議な風景が広がっています。
「波乗りシリーズ」「三国志シリーズ」「プロレスシリーズ」など、思わずクスッと笑ってしまうような世界観は、ひとつひとつ眺めているだけで楽しくて。
つい手に取って、誰かとその絵について話したくなってしまいます。
食卓に並べば、きっと会話のきっかけに。
使うたび、毎日のごはんにちょっとした物語が生まれるような…そんな存在です。
ユーモラスで、でもどこか詩的。
motif.さんの染付のうつわには、日常の中に「遊び心」と「余白」をそっと添えてくれる力があります。



TATA pottery studioさんの作品

京都の静かな山あいに工房を構える、TATA pottery studioさん。
田中大輝さんが形をつくり、田辺桂さんが絵を描く。
おふたりが手を取り合って生み出すうつわには、あたたかな気持ちがそっと込められています。
「誰かのために作るうつわ」——それは今ではありふれた言葉かもしれません。
けれど、その誰かを想いながら手を動かすこと。
その過程こそが、ものづくりの本質なのだと、TATA pottery studioさんの作品を見て感じさせられます。
動物たちのちょっぴりとぼけた表情や、ふわっと優しい色合い。
絵本のような世界が広がるそのうつわは、食卓をぱっと明るくしてくれます。
技法にも工夫を重ねながら、多くの人の「好き」にそっと寄り添ううつわを、今日も丁寧に作り続けていらっしゃいます。
誰かの毎日に、そっと寄り添ってくれるような作品です。



展示会詳細

【イロイロ絵付けのうつわ展】
参加作家:石井桃子[陶芸]/石川理恵[陶芸]/大井萌子[陶芸]/川西知沙[陶芸]/鈴木美佳子[陶芸]/
友田多紀[陶芸]/福田栄一[陶芸]/motif.[陶芸]/TATA pottery studio[陶芸]
会期:2025/8/23(土)~8/31(日)
会場:ころは -うつわと道具と喫茶室‐
(〒673-0755 兵庫県三木市口吉川町大島55)
開催時間:11:00 ~ 16:30
(※ 月曜日と火曜日は定休日です。)
※混雑が予想される場合は、整理券をお配りする可能性がございます。
オンライン展示について:
会期後に準備が整い次第、オンラインにアップ致します。



