【片瀬有美子・神吉臣人・日の出製作所 三人展】
参加作家:片瀬有美子(陶芸)/神吉臣人(木工)/日の出製作所(木工)
会期:2024/10/16(水)~10/27(日)
こんにちは。“ころは”の店主です。
10月16日(水)から開催する展示会のご紹介です。
「モカウェア」という技法で水彩画のような磁器のうつわを制作されている片瀬有美子さん。
ろくろやカンナを用い、様々な表現方法で木の良さを生かしたうつわや道具を制作されている神吉臣人さん。
乾燥していない生木から成形した「グリーンウッド」のうつわや道具を制作されている日の出製作所さん。
自然の素材が持つ力を生かし、作家の個性が合わさることで生み出される作品の数々をご覧下さいませ。
片瀬有美子さんの作品
片瀬有美子さんは“mocha ware(モカウェア)”のうつわを制作されています。
モカウェアは19世紀イギリスで生まれた陶芸の技法です。
本来は土物の素地に化粧土を掛けた後にモカウェアを施す技法ですが、
片瀬さんはオリジナルの技法として磁器土にモカウェアを施して制作されています。
磁器の白に映える鮮やかな色が美しい模様となっています。
この模様の秘密は酸性の液体で作ったモカティー。
泥の状態の素地(うつわ本体)にモカティーを垂らすと、化学反応で滲む色が表面を這うように広がり、鮮やかな模様として浮き出ます。
モカティーを垂らすタイミングと時間は一瞬です。
その一瞬のうちに精神を集中させて模様を施しています。
3、4種類の下絵の具を用いることで透光性のある磁器土に水彩画のようなグラデーションが溶けるようにして馴染みます。
一番大切にされていることは、透明感です。
もう一つの“silver frost”は無色透明のモカウェアを施し、本焼成した後の素地のモカウェアの模様の凹みを活かして、模様の部分に銀液を塗ってから焼き付け、余分な部分を耐水ペーパーで磨きながら落とし、模様の部分だけ銀を埋め込んでいます。
その静寂な佇まいは心を落ち着かせてくれます。
*片瀬有美子さんのプロフィール*
1988年 長野県安曇野に生まれる
2010年 女子美術大学短期大学部 陶芸メタルコース 卒業
2012年 多治見市陶磁器意匠研究所 デザインコース 修了
2013年 多治見市陶磁器意匠研究所 セラミックラボ 修了
2014年 金沢卯辰山工芸工房 入所
2017年 富山県南砺市にて独立
2021年 信州 安曇野 池田町に glass & porcelain studio touca 設立
神吉臣人さんの作品
神吉臣人さんは家具を中心に木工作品を制作されています。
今回はテーブルウェアを中心に出品してくださいます。
家具制作時に出る端材を利用し、作り始めたことがきっかけで
うつわやスプーンを制作されています。
一点の木のうつわから木のいろいろ表情を味わっていただきたいという思いから、
テクスチャ―や塗装に違いをつけて制作されています。
プレートのリムの黒い箇所には柿渋、鉄媒染、拭き漆が施されています。
無着色部分には撥水性のある塗料を使用することで、普段使いのうつわとして他のうつわと同じようにお使い頂けます。
ヤマザクラ、オニグルミ、ホワイトオーク(ミズナラ)、ホワイトアッシュ(タモ)、クリなどの樹種を使用されています。
手に取って頂いた時に“木を感じる”ことができる様、手触り、重さにも気を配っていらっしゃいます。
カトラリーは持ちやすく、使いやすく考えられた形状がとてもシャープで美しいフォルムとなっています。
トレイは家具作りのノウハウを生かした、精巧な作りとなっていたりと、ものづくりに対する真摯な思いが感じられます。
また、小物なども制作されており、今回はディッシュスタンドやフレームスタンドとして使える折り畳み式のスタンドも出品してくださいます。
その精巧な作りをぜひご覧下さいませ。
*神吉臣人さんのプロフィール*
1971年 兵庫県加古川市生まれ
1994年 京都精華大学美術学部立体造形科 卒業
1994~96年 青年海外協力隊 参加、エルサルヴァドル共和国へ派遣、美術教師として活動
1997~99年 岐阜県高山市 森林たくみ塾にて木工を学ぶ
1999年~ 家具製造会社、子供向け家具の企画製造、住宅資材販売等の職を経る
2014年 亡き義父の後を継ぎ、和歌山県北山村へ移住、工房 林工亘(りんこうかん)を再開
日の出製作所さんの作品
日の出製作所さんは、乾燥していない生木から成形した
「グリーンウッド」のうつわや道具を制作されています。
「グリーンウッドワーク」は、身近な森で伐ったみずみずしい生木を、
斧やナイフなどの手道具で削って小物や家具をつくる木工です。
機械がなかった時代、人は柔らかくて削りやすい生木を使ってお椀や椅子を作ってきました。
そして今、森を身近に感じられるから、
木に親しめるから、
作ることを楽しみたいから、
地域の自然や環境に関わりたいから、
いろんな理由でグリーンウッドワークが広がっています。
日の出製作所さんは刃物も自ら手づくりされており、
作る工程を楽しんでいらっしゃる様子がうかがえます。
手で削った跡が感じられる凸凹とした表情とそのフォルムは愛着がすぐにわきそうなスプーンです。
漆で仕上げられたものとオイル仕上げのものがあります。
大きいサイズ、小さいサイズ、柄が長いもの、短いもの、色々とあります。
カレー用、デザート用、取り分け用、調味料用などお好みの用途に合わせてお選びください。
うつわも刳りもので作られた形がコロンとして手にもしっくりと馴染みそうです。
使い込んでいくと、昔から使われていた古物のような味わいになっていきそうですね。
また今回、「グリーンウッドワーク」について多くの人たちに知っていただきたいという想いで
ワークショップを開催して頂く予定です。
ワークショップについては、下記の【ワークショップについて】をご覧下さい。
*日の出製作所さんのプロフィール*
山に入って木を伐って、斧で割ってナイフで削る。
使うのは自分の身体と手道具のみ。
そんなシンプルなものづくりに魅せられ、グリーンウッドワーク(生木の木工)の勉強を始めました。
グリーンウッドワークのおもしろみをたくさんの方に知ってもらいたいと思うようになり、道具作り、場所作りを進めています。
展示会詳細
【片瀬有美子・神吉臣人・日の出製作所 三人展】
参加作家:片瀬有美子(陶芸)/神吉臣人(木工)/日の出製作所(木工)
会期:2024/10/16(水)~10/27(日)
会場:ころは -うつわと道具と喫茶室‐
(〒673-0755 兵庫県三木市口吉川町大島55)
開催時間:11:00 ~ 16:30
(※ 月曜日と火曜日は定休日です。)
※混雑が予想される場合は、整理券をお配りする可能性がございます。
オンライン展示について:
会期中もしくは会期後に準備が整い次第、オンラインにアップ致します。
「グリーンウッドワーク」ワークショップについて
今回の展示会の参加作家、日の出製作所さんによるワークショップを開催します。
「グリーンウッドワーク」を身近に感じ、自然に触れ、ものづくりを楽しんでみてください。
「グリーンウッドワーク 小さな木のスプーンを作る。」
開催日時:10月19日(土)13:00~16:30
参加費:3500円
定員:7人(18歳以上)
内容:柔らかい生の木からカービングナイフとフックナイフを使って小さな木のスプーンをつくります。
服装:汚れてもいい肌が出ない動きやすい服装
持ち物:手のひら側にゴムの付いた作業手袋
【予約方法】
当店InstagramのDM、公式LINE、メール(shop@koroha.shop-pro.jp)、お電話(0794-88-1010)にて受け付けております。